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紅型作品

紅型の歴史

紅型は現代の沖縄に残る染め物で、琉球の時代に交易の中で中国・朝鮮・日本・東南アジア各地の様々な染め・織物を消化し、18世紀頃までに確立されたものと言われています。

廃藩置県、第二次世界大戦によってその技術は途絶えかけてしまいますが、戦前から紅型を家業としていた城間栄喜・知念績弘らが中心となり、戦後の物資も少ない中、廃材を加工し道具を作るなどして復興に尽力しました。

また、鎌倉芳太郎ら本土の研究者が、廃藩置県で廃業を余儀なくされた工房の型紙や裂地を収集していたことにより、収集された資料が第二次世界大戦の戦火を免れ、戦後沖縄に寄贈されたことも、復興を志す職人達の大きな支えとなりました。

こうして先人達が守ってきた紅型の技術を大切にしながら、紅型を現代の生活に取り入れていけるように試行錯誤して、私も未来に紅型を残す力になりたいです。

紅型作品『雨の日のうた』の鳥
紅型作品『雨の日のうた』の人と馬

技法

紅型の引き染め

紅型は、まず生地に型紙や糊筒を使って糊防染した後、顔料や染料を使って染めます。染めた後に糊を洗い落とすと、くっきりとしたラインで型取られた模様が浮かび上がってきます。作品によっては型紙を複数枚使って染め重ねたり、地染めをしたりしなかったり、手順は様々です。

紅型の特徴として、「隈取り」という技法があります。模様のポイントとなるところや、陰影をつけて立体感を出したいところに、下地より濃ゆい色でぼかしを入れていく技法です。隈取りを入れることで深みが増し、柄が活きてくるように感じます。